


ファクタリングと手形割引はどう違う?
ファクタリングは売掛債権を売却してその売却益を受け取る資金調達方法。
一方で、手形割引は売掛先から振り出された受取手形を担保に銀行やノンバンクなどの業者から融資を受ける資金調達方法です。
形式上では、権利の売買と融資という違いはあるものの端から見たらほとんど同じと思われるかもしれません。
ただ中身にも3つの違いがあるので見ていきましょう。
ファクタリングと手形割引の3つの違い
ファクタリングと手形割引の3つの違いは以下の通り。
・補償義務の有無
・審査
・手数料
それぞれ順番に解説していきます。
補償義務の有無
まず1つ目は補償義務があるのかないのか。
ここで言う補償とは、売掛先が倒産してしまった場合に負うものを指します。
ファクタリングの場合、債権売却後に売掛先が倒産しても基本的には補償する義務はなく、損害を被るのはファクタリング会社です。
一方で手形割引の場合は、保証義務があるため利用者が損害を被る形になっています。
ちなみに3社間ファクタリングにおいては補償義務付きのファクタリングもあります。
ファクタリング会社が利用企業に補償を求める権利を償還請求権と言うので、利用する際は契約内容に組み込まれていないか確認してください。
審査
審査にも違いがあります。主な違いは審査対象。
ファクタリングの審査は、売掛先を中心に進みます。そのため利用する企業に赤字や債務超過、税金の滞納などがあっても売掛先の信用次第で審査は通ります。一方で手形割引は、あくまで融資なので利用する企業も審査対象になり、赤字や債務超過や税金滞納があると審査には通りません。
手数料
最後は手数料です。
ファクタリングの手数料相場は7~25%なのに対し手形割引は1.5~20%程度。
さらに手形割引は、審査は厳しいですが銀行や信用金庫で受ければ1.5~5%ほどの手数料になります。
ファクタリングは売掛先の信用次第で手数料は下がりますが、3社間にしない限りそこまでの安さは実現できません。
手数料においては手形割引に軍配が上がるでしょう。
こんなところにも違いが?
見落としがちですが、もう1点違いがあります。
それは信用情報について。
ファクタリングは負債ではなく権利の売買をしているだけなので信用情報に一切履歴が残りませんが、手形割引は金融機関が共有している信用情報に利用履歴がのこります。
だからどうという話ではないのですが、何となく嫌な方もいるかと思います。
こんなところにも違いがあるということを覚えておいてください。